世界を魅了する現代芸術家トム・サックス 「ナイキは僕を、僕はナイキを必要とする」

「エルメス(HERMES)」の包装紙で「マクドナルド(McDONALD’S)」のハンバーガーセットを再現した「Hermes Value Meal」(1997年発表)をはじめ、さまざまなファッションブランドのアイテムを模した作品で世界中にその名を知らしめたトムは、日本の伝統文化・茶道を彼なりに解釈した個展「ティーセレモニー(Tea Ceremony)」を東京・新宿の東京オペラシティ アートギャラリーで6月23日まで開催している。

並べられた椅子の背もたれ裏には、トムがヒーローだと思う人物やキャラクターの名前が一つ一つ手書きされている PHOTO : YOSHIAKI HIKINUMA

“茶会”と称する同展は2016年にニューヨークで初めて開かれ、3年を経て茶道の本場日本での開催となった。会場ではまず、トム自身が出演して茶事の作法を実演する同タイトルの映像「TEA CEREMONY」の鑑賞から始まる。鑑賞後、奥へ進むと露地草履風のナイキ(NIKE)の特注サンダルが並べられ、その先にあるトタン屋根でできた門をくぐると庭園が広がり、茶室も設けられている。このように、動線をなぞればトムのフィルターを通した茶道の世界観に没入できるだけでなく、亭主であるトムの“茶会”に招かれた客人として、茶道の一連の流れも自然と知ることができる展覧会となっている。

 個展が開催された4月下旬は、毎回即完売の人気を見せるナイキとの新作コラボコレクションを発売するなど、まさに“Tom Week”だった。来日したトムに個展はもちろん、アーティストとしての道のりや哲学、そしてナイキとの関係までの話を語ってもらった。

個展についての話をお伺いする前に、そもそもアーティストは志してなったのでしょうか、それともなるべくしてなったのでしょうか?

大学時代に間違って彫刻の授業を取ってしまったんだが、そこでは「君たちは美大生なのではない。授業の1日目からすでにアーティストなのだ」という大学の校訓というか精神を教えられた。授業を取ったこと自体は間違いだったが、課題に真剣に取り組んでいたことで今に至ったと思っているよ。

精神的に大人になった頃からアーティストを志していたのかと思っていました。

子どもが大きくなる過程でアーティストという職業が選択肢に入っていないことが多いのは、アーティストの道を選ばない理由にばかり着目するからだ。でも、そういう道もあるんだという理由に着目して努力すれば、想像もできないほど遠くまで行ける可能性がある。別の言い方をすると、「失敗すると自分で思ったらそれはもう100%、絶対に、確実に失敗する。でも自分は成功すると信じれば、成功するかもしれない」ということだ。

自分を信じることが一番大切だと?

もちろんそうだが、言葉にすると陳腐だな……。「自分を信じるべし」なんていうと、歯医者の待合室とかに貼ってあるポスターみたいだから違う言い回しをしたけど、これは精神的で宗教的な話に近い。当然、自分を信じる必要はあるが、それでも失敗する可能性は大いにある。だが成功するためには、自分の作品でいいと信じる部分に集中して努力するしかないんだ。オリジナリティーに関していうのであれば、まず自分自身や周囲のコミュニティーの価値観に忠実であることから始まって、その上に構築していくものじゃないかな。

それでは日本で個展を開くことになったきっかけを教えてください。

数年前に東京オペラシティから「個展を開かないか?」と話が来たんだ。非常に光栄に思うよ。僕の作品を高く評価し、アプローチを理解してくれている証拠だと思う。なにしろ、外国人である僕が“茶会”を開くというリスクも覚悟してくれたことでもあるからね。

作法や文化については、日本人と同等かそれ以上に心得ているようですが、どこで習得したんですか?

世界でもっとも素晴らしい芸術様式の一つだから、芸術を学ぶ者として常にそこにあった感じだね。例えばミケランジェロ(Michelangelo)やザ・ビートルズ(The Beatles)、ブルース・リー(Bruce Lee)、ボブ・マーリー(Bob Marley)をどうやって知ったのかなんて聞かれたら困るだろ?そういう大きな存在というのは、いつの間にか知っているもの。とはいえ、最初は15~20年ぐらい前にニューヨークの裏千家の茶道教室に通ったところから始まっているんだ。

裏千家や千利休について知見がない日本人も多い中で、感心してしまいます。

まぁ、マルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)の名前を聞いたことがないアメリカ人もいるだろうし、同じようなことさ(笑)。

今回の個展では、おなじみの「ナサ(NASA)」をはじめとした宇宙モチーフの作品も並んでいますね。

先ほどの「スペースプログラム・マーズ」でも今回の「ティーセレモニー」でも、宇宙や茶道そのものを表現したいわけではなくて、彫刻のための土台というか、枠組みのような役割を果たしているだけなんだ。

個人的に“男の子”はみんな宇宙に興味があると思っていて、そこから派生したのかと。

確かにそこから始まった部分はあるかもしれない。だが、「ティーセレモニー」が純粋に茶道に対するリスペクトからスタートしているのと同様に、宇宙もリスペクトや興味からスタートしつつも、最終的には僕のアイデアなどを彫刻で表現するための土台になっている。僕の彫刻で大切なのは透明性というか、作品に使った素材同士のつなぎ目が見えて、何も隠されていないこと。それが僕が作ったということの証明であり、iPhoneのような史上最高の製品の対極にあるものだということも示しているのさ。

制作の背景が見えるというか、完全ではないことがいいーーつまり“不完全な美”という意味でしょうか。

その通り。「スペースプログラム・マーズ」も「ティーセレモニー」の作品も、不完全性を受け入れる点が好きなんだ。宇宙機材をよく見ると不必要な機能や飾りなどは一切なくて、つなぎ目が見えたり、塗装すらされていなかったり、使われてきた形跡が残っていたり、武骨な雰囲気を持っている。それは日本の茶道や伝統的な工芸品、建築などにも通じることだと思うし、歴史あるものや伝統に対するリスペクトを感じるんだ。

今回は展示していませんが、これまでに「シャネル(CHANEL)」や「エルメス」など、ファッションブランドをモチーフとした作品を数多く制作してきましたが?

ファッションをこの消費社会の諸悪の根源だと思っているから、実はあまり関心がないんだよね。ファッションの“シーズン”という考え方は、計画的に製品を廃れさせることへと直結している。そして消費者、特に女性に対して、最新ではないアイテムを着ていることを時代遅れで恥ずかしいと思わせ、さらに現実的ではない理想像で苦しめ、病に悩ませる。そういう点が大嫌いだ。

ただ、女性を最高にセクシーでいられる手助けをするために仕事に打ち込んでいる素晴らしいデザイナーたちには、もちろん敬意を表するよ。アズディン・アライア(Azzedine Alaia)はシーズンという考えを持たず、自分の作品が進化していくことに注力していたので尊敬しているね。同様に、僕がスタジオで制作しているものは美術館やギャラリーなどアート界のために作っているわけではなく、僕たちのコミュニティーのために作っている。そしてそのコミュニティーには、読者のみんなも含まれているんだ。

個展開催と同時期にナイキとのコラボコレクションを発売しましたが、ナイキとは長年協業していますね。どういった経緯で協業はスタートしたんでしょうか?

2007年頃からナイキのCEOで友人でもあるマーク・パーカー(Mark Parker)とコラボの話を始めたんだが、条件や考えなどが折り合わなくて悪戦苦闘していた。それで長年かけて話し合った結果、お互いにフィフティーフィフティーの関係じゃない限りコラボアイテムの製作はうまくいかないということで合意したーーつまり、僕がナイキなしでは作れなくて、ナイキも僕なしでは作れない物を作るということ。そうした考えをコラボアイテムに反映しない限り製品化しないということだった。

“ナイキとしか作れないもの”ということで、12年にコラボスニーカー“ナイキクラフト マーズヤード(NIKECRAFT MARS YARD)”を発表したんですね?

その通りだ。僕は作りたいと思ったものを“何でも作れる”し、それを売りにしているとはいえ、スニーカーはとても複雑な構造をしている。特にスポーツ用のシューズに関していえば、ちゃんと機能するものである必要があるから作るのが難しくて時間がかかったんだ。

“物を作る”という同じ枠組みではあるものの、アート作品は鑑賞されることが主で、スニーカーは鑑賞よりも機能性が求められます。この違いに苦慮することはありましたか?

いや、実は全く同じなんだ。僕のスタジオには金属や木材を扱うための基本的なツールがそろっている。ナイキは5万人規模で動かすような巨大な機械を持っている。ただ作るために使うツールやアプローチが違うというだけさ。

(アート作品とは違って)“大量生産される”という点も考量する必要があるかと思います。

コラボの利点は、大量生産できるということ。僕にとっては作品を手作業で一つずつ作ることも、完璧に仕上げることもたやすい。どこか改良したいと思ったら、すぐに直すこともできる。ただ、1人で同じものをたくさん作ることはできない。そこで大量生産するために大企業との協業が必要になってくるんだ。だが、製造工場のスケジュールと発売のタイミングを調整することは本当に大変で、時間も常に足りなくて、いつも直前まで試行錯誤している。それに大量生産や大企業とのコラボは、何かを間違えた場合すぐに作り直すことができないぶん被害の大きさが尋常じゃない。だからこそアイデアを大きく膨らませられる可能性も桁違いなんだけどね。

そういった背景があるから、“ナイキクラフト マーズヤード”をアップデートした“ナイキクラフト マーズヤード 2.0”が生まれたんですね。

その通り!改良というのはどんなときでも常に考えていて、大量生産された“マーズヤード”を日常的に履き続けることで発見できた部分を改良し、“マーズヤード 2.0”が生まれたんだ。

ちなみにフランク・オーシャン(Frank Ocean)が“マーズヤード 2.0”の色違いを履いていたのですが……?

彼は悪趣味でね、自分でDIYしたか頼んだか知らないけど僕は好きじゃない(笑)。

ポンチョをはじめとした今回のコラボコレクションについて教えてください。

まず読者のみんなに、(今回のコレクションは)“トム・サックスがナイキのために作ったものではない。ナイキが僕と僕のチームのために作ったものである”ということを伝えたい。僕がナイキのために仕事をしたのではなく、ナイキが僕らのために仕事をしてくれた。ナイキはアスリートのために仕事をしていて、肉体がある者はみんなアスリートーー言い換えると、“エア ジョーダン(AIR JORDAN)”がマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)のために作られたように、ナイキは僕たちがスポーツをするために必要なものをサポートしてくれたんだ。

コレクションは冬と春の狭間にある3月をテーマにしている。3月は少女と大人の女性をつなぐ思春期のような月だから、僕らのチームでは“移行期の月”と呼んでいる。だから今回のコラボでは“移行”を大きなポイントとしていて、ポンチョは何もないところから、プルタブを引っ張るだけで一瞬にして暖かさを提供してくれる衣服として現れる。ビーニーも、頭を覆うという最小限の布地の大きさで、最大限の暖かさを提供する。このように今回のアイテムは、どれも“移行”がとても素早く行われる製品だ。

なぜスポーツブランドであるナイキとポンチョを製作したんでしょうか?

ポンチョが好きで必要だった、それだけさ(笑)。開発には数年かかったんだが、東京滞在中に雨に降られたから実際に使ってみたら改良したい点を見つけた。だから、ポンチョの改良版“ポンチョ 2.0”を発売することになったら、東京での経験を生かした機能がついているものになるだろうね。

ビーニーはエンジニアリングの観点からすると、多くの熱量が奪われる頭を最小限の布で覆うことで最大限の暖かさを提供する、最も効率的なアイテムなんだ。まるでセーター……いや、それ以上に重ね着をしたような効果がある。それにとても小さいから、折りたためばどこにでもしまうことができる機能性の高さもある。

ビーニーは後ろにペンが挿せる仕様も備わっていますね。

僕は常に鉛筆を持っているわけではないんだけど、それは収納するための場所がないからというのが大きい。でもこういうところに鉛筆を入れてることができたらなくさないし、すぐに取れるからいいかなと思ったんだ。あと、このビーニーって、かぶるとちょっと変な感じになるだろ?こんなものを頭にかぶっている時点で少しおかしな人に見えるのに、鉛筆を入れるところまであったらそれがさらにクレイジーな感じに強調されていいかなって(笑)。いつか黒いバージョンも作ってみたいとは思うが、ヘンさが薄れるし目立たなくなってしまうから考えものだ。

ショーツは実際に履いてみたところ、ダウンのように非常にモコモコとした質感で、ショーツだけど暖かい印象でした。これは気候変動が大きい3月に対応できるためでしょうか?

体の中心さえ暖かければ全体が暖かくなるという観点から、ショーツでも問題ないように中に軽くて暖かな素材のグースダウンを使用しているんだ。800フィルパワーあるよ(編集部注:1オンスの羽毛が800立方インチの体積まで膨らむことを800フィルパワーといい、700フィルパワー以上で高品質ダウンとされる)。

コレクションのキーアイテムであるスニーカー“マーズ ヤード オーバーシュー(MARS YARD OVERSHOE)”は、これまでのコラボスニーカーの様相と大きく変化していますね。その意図は?

雨が多くて寒い季節を乗り切れるようにデザインした、防水仕様のスニーカーだからだ。アウトソールも、凍っていたり滑りやすい場所にも対応できるようにとても柔らかくなっている。3月向け、もしくはニューヨークや東京の冬向けのスニーカーだね。

私も持っているんですが、(今日みたいに)雨が降っている日こそ履くべきスニーカーだったんですね。

一つはっきりさせておこう。汚したくないからという理由でこのスニーカーを履かない人がもしいたら、そいつは履くべき人間ではない。ボロボロになるまで履いて、履いて、履き倒せ!(笑)。

モデル名に“マーズ(火星)”とあるように、宇宙服を想起させるデザインでもあります。

スニーカーも僕の彫刻作品の1つだと思っているし、アポロ11号の月面着陸の際のオーバーシューズを参考にしているからそう感じるのだろうね。アッパー全体を覆う部分には非常に強度と防水性能が高い素材“ダイニーマ”を使っているんだが、これはアポロ計画の宇宙服に使われているガラス繊維“ベータクロス”によく似ているんだ。

今回の来日は久しぶりだったかと思いますが、滞在中に広島・尾道を訪れていましたね。作品のインスピレーションを得るためでしょうか?

来日は3年ぶりで、6〜7回目かな?アメリカにはラストベルト(アメリカ国内で脱工業化が進んでいる地帯)と呼ばれる尾道のような町がある。ラストベルトは過去に工業地帯として栄えていたが、現在は衰退しているような場所で、尾道は美しいのはもちろんだが、ラストベルトのようにこれからの再活性化の可能性があると思っている。ゆえに、アーティストを引き付ける魅力を持っているんだ。

滞在期間中には、野村(訓市)さんやヴァージル(・アブロー)らと会っていましたが。

訓市は、トヨタに次いで日本で2番目にいろいろなものを輸出していると思っている、最高だよ。俺のブラザーさ!(笑)。

5万本のリボンやデジタルアートで演出 「ミキモト」のハイジュエリー展が開催

「ミキモト(MIKIMOTO)」は10月14日まで、ミキモト銀座4丁目本店7階ミキモトホールで2018年ハイジュエリーを一般公開する。入場は無料。 “ジュ ドゥ リュバン(JEUX DE RUBANS)-リボンの戯れ”をテーマに約5万本のリボンを使用した幻想的な空間で、今年7月にパリ・オートクチュールで発表した作品をはじめ、数々のハイジュエリーを紹介する。世界中で愛される永遠のモチーフであるリボンのしなやかさを表現したハイジュエリーをはじめ、グラデーション状のパールが美しいネックレスやコンクパールを使用したリング、「ミキモト」のロングセラーのさんごをモチーフにした“KOFUKU NO KI(幸福の木)”のブローチなどきらびやかなコレクションが勢ぞろいした。

食卓が置かれたスペースにはリボンでかたどったロブスターや花々が置かれ、お皿に見立てたケースにジュエリーを展示。壁にはデジタルを駆使した表情が変わる肖像画風のアートが飾られ、ジュエリー以外にも見どころが満載だ。

リボンの彫刻を施した部屋では、新たに登場した“ミキモト ラグジュアリー ギフト コレクション”も展示。老舗ジュエラー「ミキモト」ならではの職人技とこだわりの素材を惜しみなく使用したフォトフレームやボールペンが登場する。アコヤ真珠とダイヤモンドを使用したボールペンは、セラミック製が75万円、ジュラルミン製が55万円で、アコヤ真珠とダイヤモンド、シルバー製のフォトフレームは650万円と850万円の2種類ある。

同展の一部はミキモト大阪店でも19~21日に開催する。希少なパールや宝石を使用したハイジュエリーやデジタルアートで非日常に触れられる展示は必見だ。

32歳のダニエル・リーによる新しい「ボッテガ・ヴェネタ」は“フィービー枠”を狙えるか?

「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は22日、32歳の英国人デザイナー、ダニエル・リー(Daniel Lee)によるメンズとウィメンズのデビューコレクションを発表した。ショー会場は公園に建てた透明のテントで、日差しがたっぷり降り注ぐ。フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)時代の「セリーヌ(CELINE)」出身というキャリアからもダニエルへの期待値は高く、オープンでフレッシュなショー会場が若いデザイナーへの一層の興味を掻き立てた。

ファーストルックは、デコルテのカッティングが特徴的なシンプルな黒のレザーのワンピース。イタリア・ヴェネト州で高級レザーグッズからスタートした同ブランドのコアバリューを端的に表す始まりで、黒はこの後も度々登場するキーカラーとなった。前任のトーマス・マイヤー(Tomas Maier)の黒が複雑なニュアンスを持つシックな黒だったのに対して、ダニエルの黒はストレートで強い黒。中盤に登場する光沢あるシャツのインスピレーション源が90年代の“トラッシーな(売れない)”ミュージシャンという視点からもわかるように、新生「ボッテガ・ヴェネタ」はエレガンスからストロングネスへとかじを切るようだ。

若いリーを起用した狙いのひとつは、彼と同世代の若い顧客の獲得。先に発表したプレ・フォールではメンズ・ウィメンズともに、シンプルなトレンチコートやニットトップ、レザーやナイロン製のスポーティーなブルゾンといった定番アイテムが充実していた。メーンはその延長にありつつ素材使いはより強く、インパクトあるものに。イギリス人であるダニエルが、イタリアのカルチャーを学び取り入れたというウィメンズの服のカタチは広いデコルテや長いスリットなど女性の官能性を強調する。

ダニエル自身が車好きなことから、バイカーディテールが随所に登場し、これも強さにつながっている。また、アイコンであるレザーを編み込む技法、イントレチャートは服もバッグもひとつひとつの四角を大きく使い、これまでよりポップに。ぽってりとしたトゥーにイントレチャートを用いたパンプスは可愛らしく、アイコニックなアイテムとなりそうだ。

同ブランドは、「自分のイニシャルだけで十分」(When your own initials are enough)というキーフレーズを持つが、ダニエルもロゴは用いず、素材とデザインで勝負。それだけにフォームやバランスが重要となるが、レザーやマッキントッシュなどハリのある素材が多いことからか、着こなしの難易度が高いバランスのアイテムが増えている。元々レザーグッズのブランドであり、プレタポルテの歴史は前任者トーマス・マイヤーが築いたもの。トーマスが残したアーカイヴに頼らずに独自路線を築くのは難易度の高い仕事だけに、ダニエルの強みが職人技と融合し独自の世界を確立するにはもう少し時間がかかりそうだ。

「ジンズ」が中国メガネ市場で拡大できた理由

アイウエア企業ジンズ(JINS)の2018年8月期の売上高548億円のうち13%に相当する72億円が海外事業で、前期比38%増の高い伸びを見せ、初めて黒字化した。海外の売り上げのほとんどは、130店舗を展開する中国事業だ。9月に香港にも進出し、アジア市場はさらに拡大基調にある。上海と瀋陽にある中国法人のトップを務める宇部真記ジンズ チャイナ社長に中国ビジネスのこれまでの成長と今後のビジョンを聞いた。

中国進出の経緯は?

2010年12月に、中国・瀋陽に出店したヤマダ電機の2階に1号店をオープンしました。当初、売り上げは苦戦しましたがしばらく様子を見て、3店舗目の天津店が好調で手応えをつかみ、12年に上海の伊勢丹と森ビルの商業ゾーンに相次いで出店しました。このタイミングで、私が中国ビジネスの責任者として着任し、瀋陽と上海の会社のトップを兼務しています。現在、9人の日本人社員が駐在しています。

その後、中国ビジネスは一気に拡大している。

今、中国ビジネスは軌道に乗り、ここ数年は年30店舗出店して、現在の店舗数は135、従業員数は約1000人に成長しました。売り上げは年々伸びており、今年も30店舗増える予定です。

フレーム価格とレンズ価格を合わせた3プライス設定の販売システムが新しかった?

399元(約6000円)、599元(約9500円)、799元(1万2000円)のセット価格で商品を販売しています。「ジンズ」が出店した後、類似店が増え、現在この販売方法は一般化しています。類似店の多くが淘汰されましたが、現在の主なライバルはアオジョ(AOJO)、ローホ(LOHO)、ルック(LOOK)などがあり、日本の「ゾフ(ZOFF)」と「オンデーズ(OWNDAYS)」も進出しています。

中国の売り上げ一番店は?

天津の商業施設ジョイシティ(大悦城)が一番店で、ピークの月は約2500万円を売り上げました。その次は、エリアに約40ある上海の店舗が続きます。

ライバルが多い中で、「ジンズ」が差別化している点は?

商品のファッション性より、むしろ日本企業として定評のある安心・安全な品質と丁寧なサービスをしっかり打ち出していることです。ライバル他社のことは意識していません。商品はほとんどが中国製ですが、1790元(約2万8000円)の日本製チタンの高額フレームも売れており、生産が追いつかないほどの人気です。

中国と日本の消費者の違いは?

中国はアイウエアのトレンドが明確で、消費者は日本人より圧倒的にトレンドに対する意識が高いということです。日本人は自分に似合う商品を選び、結果としてシンプルでベーシックなデザインに偏りがちですが、中国人は自分に似合っているかは二の次で、今流行のデザインに飛びつきます。日本ではあまり売れなかったキャッツアイのフレームが、中国では大人気となりました。今はメタルのオーバル型フレームやフロントが六角形のモデルがよく売れています。中国では、日本のMDは通用しません。また、売り上げ全体に占めるサングラスの購入比率が高いことも特徴で、日本が3%程度なのに対し、中国は約15%で、日差しが強い夏は35%になることもあります。アイウエアがファッションアイテムとして浸透している証拠です。

中国の出店はどこまで伸びる?

ひとまず300店舗まで出店できると見込んでいます。デジタル化が急速に進んでいる中国で、Eコマースによる眼鏡の購買がどれだけ高まるかを注視しています。

9月に海外5地域目となる香港に出店した。

2店舗出店し、上々の滑り出しです。場所はまだ公表できませんが、あと3店舗の出店が決まっています。市場規模から考えると20店舗まで拡大できると思います。香港での事業拡大の大きなネックとなるのが、検眼ができる資格を持った測定士の常勤が義務付けられていることです。香港に約2000人しかいない測定士は、ライバル店との人材確保の競争により、人件費が高騰しています。能力が高い人は眼科医レベルで、年収1000万円を超える場合もある。測定士の争奪戦が今後の事業拡大の肝になると思います。「ジンズ」は常にイノベーションを起こす会社であり、そのスタンスは中国でも変わりません。

「ヴォーグ」を擁するコンデナスト 音楽配信会社出身の新CEO就任でどう変わる?

経営統合した米コンデナスト(CONDENAST)とイギリスを拠点にするコンデナスト インターナショナル(CONDENAST INTERNATIONAL)のグローバル最高経営責任者(CEO)として、米大手音楽ストリーミングサービス会社パンドラ(PANDORA)のロジャー・リンチ(Roger Lynch)前社長兼CEOが就任した。同氏は、パンドラのほかにも衛星放送のディッシュ・ネットワーク(DISH NETWORK)でエグゼクティブ・バイス・プレジデントを、テレビのストリーミングサービスのスリングTV(SLING TV)ではCEOを務めてきたが、出版メディアの経験はないことから、コンデナストが映像やデジタルメディア事業の拡充を念頭に人選をしたことがうかがえる。

コンデナストはデジタル化が遅れたこともあり、2016~17年におよそ2億5000万ドル(約277億円)の損失を計上したと見られている。18年に赤字額がやや減ったものの、まだ利益を上げるにはいたっていない状態だ。遅ればせながらも進出したユーチューブ(YOUTUBE)やネットフリックス(NETFLIX)でのコンテンツ事業が成功を収めたため、同社がデジタルや映像分野をさらに強化する方向に進むことは想像に難くない。

しかし、リンチ=グローバルCEOに期待されているのはそれだけではないだろうという声が社内で出始めているという。これまで、コンデナストは損失を減らすための施策として主にコスト削減や事業縮小を行ってきた。米コンデナストとインターナショナルは統合によって1つのデジタルプラットフォームに移行する予定だが、これは両社のユーザーがまとまることで広告主にとってさらに魅力的な存在になるということ以外にも、バックエンドの運営が統合されることによる節約効果が見込まれている。統合は非常に複雑な工程になることが予想されるが、経営陣の誰もそうした経験がないため、IT技術に強いリンチ=グローバルCEOが選ばれたのではないかというのだ。なお、社外の人材がコンデナストのCEOに就任するのは今回が初となる。

仮に、同氏がそうした“大手術”のために期間限定で任命されている場合、デジタル化への移行を推進したパメラ・ドラッカー・マン(Pamela Drucker Mann)=チーフ・レベニュー兼マーケティング・オフィサーが次期CEOになるのではないかとウワサされている。また、アナ・ウィンター(Anna Wintour)=アーティスティック・ディレクター兼米「ヴォーグ(VOGUE)」編集長の名前も挙がっているという。アナが年若いリンチ=グローバルCEOの下につくことをよしとしないのではないかという憶測に基づいたウワサだが、逆にファッション業界出身ではないリンチ=グローバルCEOが、コンデナストでのアナの権力の大きさなどを不当だと思うのではないかという向きもあるという。コンデナストが真の意味で統合されるまで、だいぶ時間を要することになりそうだ。

新宿高島屋にウェルネス売り場 横断型MDで女性客を呼ぶ

高島屋は、新宿店の8階にウェルネスをテーマにした編集フロア「ウェルビーフィールド」を3月15日開く。売り場面積約2000平方メートルに、スポーツブランド、化粧品ブランド、飲食店など20店のほか、スタジオも併設し、モノとコトの両面から健康的なライフスタイルを提案する。初年度売上高20億円を計画する。

女性を中心にランニングやヨガなどの運動を日常に取り入れる人が増え、オーガニックの食品や化粧品も注目を集めている。ニーズに応えるためには百貨店の従来型の商品分類の枠を超えた横断的なMDが必要と判断し、8階の婦人服売り場のスペースを刷新した。同社のスポーツ部門ではなく、レディースファッション部門が管轄する売り場になる。

ウエアやシューズの顔ぶれは、ユニクロのアクティブウエアを集めた新業態「ユニクロ ムーブ(UNIQLO MOVE)」、マッシュホールディングスの新しいスニーカー業態「シトロン イン ザ シティ バイ エミ(CITRON IN THE CITY BY EMMI)」の他、「アディダス(ADIDAS)」「プーマ(PUMA)」「アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)」「ダンスキン(DANSKIN)」「レリック(RERIC)」など。ビューティでは高島屋の自主編集ショップ「ベルアクティーヴ」の1号店が入り、スポーツアロマトレーナーの神崎貴子氏が全体を監修する。飲食ではUCCによる「ウェルビーカフェ25°」、発酵食品を提供する「コウジアンドコー」を誘致した。

2軒のスタジオはともにゴールドジムと提携した女性専用の新業態。「メローフロー」はヨガや空中ヨガ、フラダンス、ピラティスなどのメニューを豊富にそろえる。「ウーマンズシェイプジム」はトップクラスのインストラクターが手ほどきする本格的なレッスンが売りだ。定期的に通うスタジオを設けることで、顧客の囲い込みにつなげる。

「バーニーズ ニューヨーク」2019年春夏導入の新ブランドは欧米に加え韓国からも

「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」の2019年春夏は、初セレクトブランドが目白押しだ。アパレルの23ブランドをはじめ、バッグやシューズ、ジュエリーまで初お目見えブランドが並ぶ。今回、中でも注目のブランドを紹介する。

ファッションの新導入ブランドは、ニューヨーク・ファッション・ウイークでも注目を集めたオーストラリアブランド「ジマーマン(ZIMMERMANN)」(ワンピース9万7000円など)や、オールインワンやワンショルダーのドレスなどを展開するLAブランド「シャイナ モート(SHINA MOTE)」(ドレス7万8000円など)、タイムレスなクラフトマンシップで仕上げたロマンチックなコレクションが特徴のノルウェーブランド「バイ ティモ(BY TIMO)」(オールインワン5万9000円など)、2017年スタートの韓国ブランド「ザ ルーム(THE LOOM)」(3万円台)。その他、米国発のTシャツブランド「モノグラム(MONOGRAM)」や、コンパクトなTシャツコレクションがそろうLAブランド「プリティーズ(PRETTIE’S)」、LA発「ジューシークチュール(JUICY COUTURE)」のデザイナーによる新ブランド「パム&ゲラ(PAM & GELA)」など。

ジュエリーはボリューム感のあるアイテムが引き続きトレンドとして君臨。新しいセレクトブランドは、スワロフスキー使いの大ぶりでエッジーなデザインが特徴のイタリア発「エレンコンド(ELLEN CONDE)」(3万円台)や、こちらもスワロフスキーをふんだんに使用するが値ごろ感のあるフランスブランド「エレナ ズベルディア(HELENE ZUBELDIA)」(1万〜3万円台)などだ。

バッグやシューズは、メタリックやトランスペアレント、ネオンカラー、パイソンが共通のキーワード。バッグの新規導入は、遊び心あるカラフルなPVC素材が注目の日本発「ナナナナ(NANA–NANA)」や、リアルパイソンのショッパーバッグが有名なマイアミ発「ゲラーレ ミズラヒ(GELAREH MIZRAHI)」など、シューズではロンドン発老舗ブランド「マローン スリアーズ(MALONE SOULIERS)」、「アディダス(ADIDAS)」出身のデザイナーが手がける米国ブランド「ブランドブラック(BRANDBLACK)」などだ。

ファレルが語る「シャネル」とのユニセックスコラボ、カールとの友情

シャネル(CHANEL)」はファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)とコラボレーションしたカプセルコレクション“シャネル ファレル(CHANEL PHARRELL)”を、3月29日に韓国ソウルの旗艦店で先行発売した。同コレクションはその後4月4日から世界の複数店舗で限定的に販売される。コラボレーションの経緯や先日亡くなったカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)氏とのエピソードについて米WWDが聞いた。

2017年に「シャネル」とコラボレーションしたスニーカーを発売した際、限定500足に対して12万人と応募者が殺到した。それからカプセルコレクションまで拡大する話をはじめにしたのはいつ?

ファレル・ウィリアムス(以下、ファレル):あのスニーカーは「シャネル」がコレットをジャックしていたタイミングにおいて完璧な目玉商品だった。それはカール、ブルーノ・パブロフスキー(Bruno Pavlovsky)=ファッション部門プレジデント、ヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)=ファッション・コレクション部門アーティスティック・ディレクター、そしてエリック・ファンダー(Eric Pfrunder)=ファッションイメージ・ディレクターから提案されたもので、1足のスニーカーの成功が、今回のカプセルコレクション製作という素晴らしい機会につながったのだと思う。

カールやヴィルジニーを含む「シャネル」チームとのデザインプロセスはどのようなものだった?

プロセスは明快でシンプルだった。僕のクリエイティブ・ディレクターのシンシア・ルー(Cynthia Lu)と一緒にムードボードを作ってカールとヴィルジニーに見せた。そこから彼らは全ての部門を訪れることを許可してくれて、僕たちは使いたいアイテムや素材を選び、1カ月くらい経って「シャネル」はサンプルを見せてくれた。その迅速さには驚いたよ。

ブランドに新鮮でファレルらしい要素を取り入れたかった?

コレクションのメインはユニセックスであること、その時点ですでに新しいアプローチだ。僕は「シャネル」のウィメンズの服を長年にわたって着てきたけれど、このコレクションをユニセックスにすることで、より多くの人がブランドに触れることになるだろう。ほんの少し色を加える、僕がしたことはそのくらいだ。

「シャネル」のアイコンからどんな要素を自身のデザインと組み合わせた?

“シャネル ファレル”を提案したのはカールで、アイデアを描き起こし始めたのも彼だ。数分も経たない内に彼はいくつかの選択肢を描き出し、そこから実際に製品になったものもある。僕はアクセサリーに目がないから、ベルトからバッグ、サングラスまでお気に入りのアイテムに触れていった。「シャネル」とロゴの入ったビンテージのラウンド型サングラスを見せてくれたのを覚えているよ。とてもアイコニックなモデルで、今回複数のカラーでそろえられるというのは僕が常に望んでいたことであり、素晴らしいことだ。

「ハイジュエリーは名画のようなもの」 ヴァン クリーフ&アーペルCEOが語る「レコール」とメゾンの価値観

「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS以下、ヴァン クリーフ)」が支援する「レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校 日本特別講座(以下、レコール)」が、2月23日に京都造形芸術大学外苑キャンパスでスタートした。日本での開講は2013年以来、2回目で3月8日まで。開校イベントで来日したニコラ・ボス(Nicolas Bos)=ヴァン クリーフ&アーペル・プレジデント兼最高経営責任者(CEO)に、レコール開校の目的およびメゾンの価値観について聞いた。

今回「レコール」を6年ぶりに日本で開催する経緯と目的は?

「レコール」パリ校以外で初めて2013年に開講したのが東京だった。その際は成功したが、プログラムなど「レコール」の新たな可能性を模索しながら調整に思った以上に時間がかかった。昨年、京都国立近代美術館で開催した「技を極める-ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸」展も「レコール」と同じような取り組みだったと思う。

2回目開校の目的は初回と同じで、宝飾の世界について学ぶ場を提供することだ。ただ、長時間と時間の短いクラスをミックスするなど、プログラムを工夫させている。また、新たな内容のクラスやレクチャーなども加えた。「レコール」は単なる学校のような“学びの場”ではなく、サロンの内装や空間演出を通して、発見や対話を楽しんでもらう場だ。今回のサロンは建築家の藤本壮介が手掛けている。新たな試みとしては、宝飾の歴史を共有するという観点からアール・ヌーヴォー期のジュエリーの展示がある。世界的に有名なジュエリー蒐集家の有川一三氏に協力してもらった。また、現代からは、ジュエリーからオブジェ、家具まで幅広く手掛けるデザイナー、ハルミ・クロソフスカ・ド・ローラ(Harumi Klossowska de Rola)の作品展「ハルミ・クロソフスカ・ド・ローラ 自然の痕跡」を行い、ジュエリーやオブジェに反映された彼女の個人的な世界観を紹介している。これらの展示はクラスを補完するものだ。

「レコール」の活動が「ヴァン クリーフ」に与えるメリットは?

いろいろある。われわれが持つジュエリーの専門知識を人に伝える役割がある。ヴァン クリーフはもちろん営利企業だが、「レコール」の活動を通して総合的なジュエリーの世界に触れてもらうことで、潜在的な顧客の獲得につながっている。スタッフの教育にも有益だ。 

また、「レコール」が「ヴァンクリーフ」独自のブランド文化を作っている。ジュエリーの過去と現在をつなぎ、原石からクラフツマンシップなどの専門知識まで網羅するため、美術館や学校、地質学者などジュエリー芸術の世界におけるネットワークを広げている。それが重要で、ビジネスの枠を超えたわれわれの役割を示している。

「レコール」の全クラス数と予想している参加者数は?

15種類、全47クラスだが、ほぼ予約で埋まっている。約1000人の参加になるはずだ。展示は一般に無料公開しているので、2週間で数千人の来場を見込んでいる。

「レコール」を開催する国の判断の基準は?開催国によってプログラムは変わるか?

美術館や専門機関、そして受講者のネットワークがある都市で開催する。今まで東京のほかにニューヨーク、香港、ドバイで開催してきたが、都市によってコラボレーションする機関が違うので、プログラムも変わる。

「ヴァン クリーフ」のブランド哲学は?何が「ヴァン クリーフ」をほかのメゾンと違うものにしているか?

専門性、品質、スタイル、そしてポジショニングが特異である点だ。石の選別から、「ヴァンクリーフ」とすぐ分かるスタイル、幾通りにも着用することを可能にする技術などが挙げられる。また、「レコール」はジュエリー業界全体を支援するイベントである。通常、競合ブランドは自社の作品に特化した展示しかしないが、われわれは、業界のあらゆる関係者とコラボレーションするのに慣れている。

ハイジュエリーに関して、クリエイションからウェブサイト、カタログなど全てにおいて一貫したイメージと細部にまでこだわった表現をしているが、その理由とメリットは?

ハイジュエリーは単なる装飾美術品ではなく、多くの人に見てもらうべきものだと考える。絵画に例えると、ピカソの絵が、それを購入しようとする人にしか見せられなかったら、美術館で今日あれだけ多くの人にピカソが見られることはなかっただろう。それと同じ考え方だ。ハイジュエリーも時間をかけて丁寧に作り上げるものだから、できるだけ多くの人に向けて紹介するべきだ。おとぎ話がインスピレーションだった場合は、ジュエリーそのものから展示空間、そしてそのコレクションの表現に関わる全ての体験はおとぎ話と同じでなくてはならない。それらは純粋な芸術作品であって顧客だけのものではない。芸術的な表現として一般に公開するべきだ。なぜなら、顧客以外も興味を持っているから。

ファッション業界でダイバーシティー(多様性)やインクルーシビティー(多様性の受容)が話題になっているが、ジュエリー業界の動きは?今後は?

企業を運営する上で、それらは社内で重要なことだと思う。ファッション業界で起こったことは決して意図されたものではないが、ある行動が周囲にどのようにとらえられるかについては、より慎重にならざるを得ない。ジュエリーの世界はファッションと異なり、特定の着用者が主役になることはなく、ジュエリー自体が主役だ。われわれの顧客は体形、年齢、国籍など特定の属性に限定されない。キャンペーンにモデルを使用しない理由はそこにある。着用モデルの年齢や国籍を消費者に押し付けたくないからだ。だから、ジュエリーのキャンペーンは物撮りが多い。ジュエリーのキャンペーンはモデルなしというのは、暗黙の了解。そういう意味では、ファッション業界よりダイバーシティーが進んでいると言えるかもしれない。

羽田空港が日本一の商業施設に王手 新たな商業エリア「ザ ハネダ ハウス」をオープン

日本空港ビルデングは12月19日、第一旅客ターミナル5階に新たな商業エリア「ザ ハネダ ハウス(THE HANEDA HOUSE)」をオープンした。「アディダス(ADIDAS)」やオンワードホールディングスのオーダーメードスーツ業態「カシヤマ ザ・スマートテーラー(KASHIYAMA THE SMART TAILOR)」、EXILEが所属するLDHによるライブレストラン「ライブ&レストランLDH キッチン ザ トウキョウ ハネダ(Live & Restaurant LDH kitchen THE TOKYO HANEDA以下、LDH キッチン)」など14店舗が出店した。羽田空港は免税店などを含めると商業施設の売上高は約1200億円(WWDジャパン推定)で、これまで日本一と言われてきた成田空港とほぼ同等の規模になる。挨拶に立った鷹城勲・日本空港ビルデング会長兼CEOは「新たな商業空間のコンセプトは“通過する場所から滞在場所へ”。空港での時間を贅沢なものへと変えたい」と語った

14店舗目になる「カシヤマ ザ・スマートテーラー」は、空港の店舗らしく旅行カウンターのような受付と大きな試着室を構えた。これまで雑居ビルなどへの出店がメーンで、本格的な商業施設への出店は今回が初めてになる。2人のスタッフが常勤ながらも予約や混雑状況に応じて、訪問販売員やフィッターがヘルプに入り、柔軟に対応する構え。店舗の前には贅沢な革張りのソファーが設置された共有スペースもあり、「忙しいビジネスマンだけでなく、旅行前のお客さまにもぜひ来ていただきたい」(広報)という。

アディダスは、約25坪ほどの新業態の小型店を出店。ランニングシューズとウェア、パーカ、Tシャツに加え、ビジネスマンをターゲットに、スーツタイプのジャケットも揃えた。隣接する店舗との仕切りを作らず、入りやすさを重視する一方、縦長のレイアウトで商品のみやすさを重視した作りになっている。「直営では、空港への出店も初めて。成果が上がれば、この業態で他の商業施設への出店も検討している」と新業態モデルとしても期待を寄せる。

羽田空港は免税店を含めると320店舗が出店。旅客数は2018年度で国内線と国際線を合計すると6974万人の見込みで、成田空港の3609万人の約2倍に達する。羽田空港以外でも商業施設を出店する日本空港ビルデング全体では飲食を除く物販だけでも1762億円(19年3月期見通し)を売り上げる、日本屈指の商業施設でもある。

香取慎吾が豊洲で国内初のアート作品展を開催 15日から

タレントの香取慎吾による国内初のアート作品展「サントリーオールフリーpresents BOUM!BOUM!BOUM!(ブン!ブン!ブン!)香取慎吾NIPPON初個展」が、豊洲のIHIステージアラウンド東京で開催される。会期は3月15日から6月16日まで。

会場は3つのステージから構成される。ステージAには、個展名ともなった新作のオブジェ“BOUM!BOUM!BOUM!”を展示する。“「脳」迷路”“「心臓」ドーム”“「口」アーケード”のゾーンからなり、“「心臓」ドーム”は巨大なオブジェで、制作時の香取の心拍を録音・計測。オブジェに触れると、そのときの心音や鼓動が体感できる仕組みだ。BOUMとは心臓の鼓動音を表すフランス語で、日本語訳するならドキドキのようなニュアンスになる。香取は、「自身初の個展をパリで行えたことは光栄だが、同時に早く日本でも開催したいと思った。360度回転劇場でドキドキを伝えたい!」と話す。

ステージBには、2018年9月にパリのルーヴル美術館地下のカルーセル・デュ・ルーヴルで開催した「NAKAMA des ARTS」展で発表した100点を超えるペインティング作品を展示する。

ステージCには、初発表となる作品を展示。「昨夜も遅くまで会場で絵を描いた。描きたい思いを止めることができない!ほぼ完成したが会期が長いので、時間を見つけては会場に来て作品を増やしていきたい。もっともっと描きたい。床や壁には、まだ絵を飾るスペースがたくさんある」。

来場者はまず360度回転する客席に座り、約10分の映像作品を見る。その後、ステージA、B、Cの順で回る。「動きのある照明や大量のスモーク、そんな個展って僕も見たことがない(笑)。まるでコンサートの演出をしているようだった」と香取。

IHIステージアラウンド東京は17年に豊洲にオープンした日本で唯一の客席回転劇場で、約1300人を乗せて360度回転する円形の客席を劇場の中心に配し、客席をステージと巨大スクリーンが取り囲む。

サントリーオールフリーpresents BOUM!BOUM!BOUM!(ブン!ブン!ブン!)香取慎吾NIPPON初個展
日程:3月15日~6月16日(3月19日、4月2日、4月16日、5月7日、5月21日、6月4日は休館)
時間:10:00、11:15、12:30、13:45、15:00、16:15、17:30、18:45、20:00(各回120分の入れ替え制)
場所:IHIステージアラウンド東京
住所:東京都江東区豊洲6-4-25
入場料:一般 3500円 / 高校生・中学生 3000円 / 子ども(小学生以下)2500円(全席指定)※3歳以下の入場不可。4歳以上の未就学児の入場無料(保護者1人につき子ども1人までひざ上で鑑賞。座席が必要な場合は要子ども料金)

旬な足元コーデで夏を乗り切る! シューズニスタコンテスト結果発表

ナイロニスタから募集した、サマーデイズならではのおしゃれシューズ写真をどーんとお披露目☆ 定番のスニーカーやこの時期にぴったりのサンダルなど、自慢のシューズでコーデを楽しんでいる模様♡ 参加してくれたみなさん、ありがとうございました!

yukachuxxチェリーサンダル×ファーソックスで50sのピンナップガール風に♡

kayアイデア溢れるプリントソックス&クリアサンダルのコーデを楽しんで♪
YURIKA旬なボタニカル柄スニーカーにスポーツソックスがベストマッチ!

haruna90sライクな厚底サンダルにアディダスの3ラインソックスを合わせてスポーティにスタイリング☆
ryoseopアクティブガールの足元はいつだってスニーカー! 真っ赤なベースに黄色の花が散りばめられたITなシューズ。

YUKI夏の定番で今年再流行しているビルケンシュトックでグランジ風に。

maki_091迷ったらこれ履くってくらいお気に入り☆ どのシーズンでも大活躍!

RIGHTER WRITER定番だけどコンバースがお気に入り! 色具合がとてもお気に入り〜

Petuniasfadeホーダー柄シューズはカジュアルコーデの引き立て役!

maya真っ赤なシューズ×ソックスをコーディネートのポイントに♪

リコ厚底サンダルにはスポーティソックスを組み合わせるのがマイブーム!

sxxxmoすこし勇気を出してNIKEベナッシにNIKESOXをPLUS♡

RIKODolly&Mollyのえりまきソックスは、どんなシューズにも使える。

AzuDIYでつま先だけキラキラにした赤のコンバースは、自分だけのオリジナル♡

i_am_cocoコーデのアクセントはDr.Martensのサンダル×白ソックスで決まり。

Hikarin : )やっと手に入れたお気に入りスニーカー♡ toyっぽい感じがカワイイ

miyukimaddocのプリントシューズは夏のどんなスタイルにもマッチ!

emma日本で売り切れていたため海外から取り寄せたお気に入りシューズ☆

makkori白×グリーンが爽やかなNIKE Air Max 90は身長もアップできてお気に入り。シースルーソックスで一気に夏らしく☆

missお気に入りの花柄スニーカー♡ 履くだけでワクワクするアイテム!

hachiカーモチーフがユニークなブーティはインヒールで脚痩せ効果も期待♪ ソックスでボーイッシュ要素をプラス。

yukiko女の子っぽいDr.Martens! ずっと狙っていた限定モデルのサンダルを自分らしくコーディネート♡

COCOPARTNER OF SUMMERのシューズはアクセをプラスすれば、ビーチスタイルにも◎。

Sarailaboratory workのカラフルなヒールはこれからの時期にピッタリ! 

Sarai定番のNew Balanceのスニーカーに合わせた花柄ソックスがキュート♡

Sarai夏らしいアイスクリーム柄のぺたんこシューズ! シースルーのソックスと合わせても◎。

yumibuuu25/どんなコーデにも合わせやすいサンダルは、私のお気に入り!

かほりんごハイビスカスが夏らしいPUMAのスニーカーはメンズライクなコーデに合わせたい。

kaorin0501珍しいブルーのシューズにパープルソックスの組み合わせがカワイイ☆

KOHARU夏らしくトロピカルなサンダルにアンクレットやブレスをプラス!

mei9666Onitsuka Tigerの発色のいいブルーのスニーカーはカジュアルコーデのアクセントに。

Maiクリエーターチームmaddocのカスタムペイントスニーカーはどんなコーデにも◎。

yumyu11初めて買ったお気に入りのニューバランス574をペニーと一緒に☆

yumyu11ピクニックにもピッタリなブラック×ピンクのスニーカー! 

大信田恵紺のアディダススニーカーに赤の靴ひもをチョイス。この組み合わせがお気に入り!

桃みんPLAY COMME des GARCONS×CONVERSEのスニーカーは履くだけでオシャレに♪

yuriooonらくちんサンダルはいろんなコーデに合わせたい☆

HB=MIYUど定番のビーサン! ビーチはもちろん、アウトドアにも◎。

さゆどんTEVAのサンダルは夏大活躍の予感! カラフルな靴下と合わせるのが可愛い♡

なちゃんVANSのブラックシューズにカスタムペインティング!

arinko58ギラギラしたシューズはオールブラックのコーデに合わせたい!

pan138オリジナルデザインのこだわりマイシューズ☆

rikaチロリアンテープがほどこされたk3&co.の厚底サンダル。リボンのカラーを際立たせるためにソックスはモノトーンに。

菊地 マリナ珍しいオールスターのバックジップのロングブーツ♡ 存在感抜群です!

SARINIKE AIRMAXは履くだけでスポーティな印象に!

maygoocy×nikeのシューズ! 定番のスポーツソックスを合わせてもカワイイ♡

Maku Itakuraロンドンで購入した”NIKE Roshe run Sunrise Special Edition”でサマー気分。

ALICE真っ赤な紐がポイントのデニム生地VANSスニーカーは、履くだけで存在感が◎!

stukor夏にマストなゴールドラメのメッシュスリッポン! 大人な雰囲気を出したいときにオススメ。

SUUUお気に入りのRaf Simons×adidasスニーカーはフェスでも大活躍!

まゆadidasOriginalsのスニーカーはサイドから見える花柄がお気に入り。ネオンカラーのソックスとも相性ぴったり♪

チャッキーGALAXYカラーのコンバースが最近コーディネートの主役♪

SAKUトレンドのホワイトサンダルにシースルーソックスで涼しげな印象に。

sumire.sadidas Originalsのビビットピンクはコーデの差し色として。

vipkk女の子らしいカラーのAIRMAX95。 後ろのポンポンがポイント!

mitsuこの夏に履きたいTevaのサンダル。 白のラインソックスを合わせて大人っぽいく!

urako白のチャンキーヒールサンダル×白のナイキのソックスでポーティーに履きこなして。

ARISAKDr.Martensのitなサンダルでクールにコーディネート♪

Chikitasocks&shoesを大好きなNIKEで統一させてクールなスタイル☆

UIやっと見つけた私のお気に入りシューズ。 ネオンカラーで個性的な足元に!